米国株の魅力の一つである高配当。その恩恵を手軽に享受できるのが高配当ETFです。今回は数ある高配当ETFの中から、VYM、HDV、SPYDの3つをピックアップし、それぞれの特性、メリット・デメリットを詳しく解説していきます。
1. VYM(バンガード・米国高配当株式ETF)
概要
VYMは、FTSEハイディビデンド・イールド指数に連動するETFで、米国市場の高配当株式に投資します。構成銘柄は、配当利回りがS&P 500指数の平均を上回る大型株が中心です。
想定利回り
- 2024年9月時点の分配金利回り:約3.2%
メリット
- 高水準の配当利回り: S&P 500の平均を上回る高配当銘柄で構成されているため、安定的なインカムゲインが期待できます。
- 低コスト: バンガード社が運用するETFのため、経費率が低く抑えられています(0.06%)。
- 分散投資: 400銘柄以上に分散投資されており、個別銘柄のリスクを軽減できます。
デメリット
- キャピタルゲインは限定的: 大型株中心のため、株価の大幅な上昇は期待しにくく、キャピタルゲインは限定的となる可能性があります。
- セクターへの偏り: 金融、ヘルスケア、生活必需品セクターへの偏りが大きいため、これらのセクターの動向に影響を受けやすいです。
2. HDV(iシェアーズ・コア 米国高配当株 ETF)
概要
HDVは、Morningstar Dividend Yield Focus Indexという、持続的な配当支払能力を持つとされる米国株75銘柄で構成される指数に連動するETFです。
想定利回り
- 2024年9月時点の分配金利回り:約3.5%
メリット
- 高水準かつ安定的な配当: 財務健全性が高く、持続的な配当支払能力を持つ銘柄で構成されているため、安定的な高配当が期待できます。
- 分散投資: 75銘柄に分散投資されており、個別銘柄のリスクを軽減できます。
- 中型株への投資: VYMと比較して中型株の比率が高いため、キャピタルゲインも期待できます。
デメリット
- 構成銘柄数が少ない: VYMと比較して構成銘柄数が少ないため、分散効果はやや劣ります。
- セクターへの偏り: 不動産、公益事業セクターへの偏りが大きいため、これらのセクターの動向に影響を受けやすいです。
3. SPYD(SPDRポートフォリオS&P 500高配当株式ETF)
概要
SPYDは、S&P 500構成銘柄の中から配当利回りの高い上位80銘柄で構成されるS&P 500 High Dividend Indexに連動するETFです。
想定利回り
- 2024年9月時点の分配金利回り:約4.6%
メリット
- 高水準の配当利回り: 3つのETFの中で最も高い配当利回りが期待できます。
- 分散投資: 80銘柄に分散投資されており、個別銘柄のリスクを軽減できます。
デメリット
- キャピタルゲインは限定的: 高配当株中心のため、株価の大幅な上昇は期待しにくく、キャピタルゲインは限定的となる可能性があります。
- 構成銘柄の入れ替え頻度が高い: 年4回のリバランスにより、構成銘柄の入れ替えが頻繁に行われます。
- セクターへの偏り: 不動産、公益事業セクターへの偏りが大きいため、これらのセクターの動向に影響を受けやすいです。
まとめ
今回は、VYM、HDV、SPYDという3つの米国高配当ETFを紹介しました。それぞれの特徴をまとめると以下のようになります。
- VYM: S&P 500平均を上回る高水準の配当利回りが魅力。安定的なインカムゲインを求める投資家におすすめ。
- HDV: 高水準かつ安定的な配当が魅力。中型株の比率も比較的高く、キャピタルゲインも期待できる。
- SPYD: 3つのETFの中で最も高い配当利回りが魅力。高水準のインカムゲインを求める投資家におすすめ。
投資にあたっては、ご自身の投資目標やリスク許容度に合わせて、最適なETFを選択するようにしましょう。
免責事項
- 本記事は情報提供を目的としたものであり、投資助言や特定の金融商品の勧誘を意図するものではありません。
- 投資に関する最終的な決定は、ご自身の判断と責任において行うようにしてください。
- 投資にはリスクが伴います。元本割れや損失が生じる可能性があることをご理解ください。
- 将来の市場動向や個別銘柄の株価、配当金などを保証するものではありません。